10. 『さよなら メリルリンチ』(著:ポール・スタイルズ、訳:村上雅夫、佐々木かをり、出版:日経BP社) [経済]

昨今の世界的不況って、資本主義のなれの果てみたいな気がするのですが、どうでしょうか?

本書は、きっと資本主義の行き着く先を描いたのであろうと思われるノンフィクションです。「幸せ=お金」と考えているであろう人たちが、たくさん登場します。資本主義っていうのは、基本的に、「幸せ=お金」「金を稼ぐやつは偉い。稼げない奴はバカ」っていう価値観に人を追いこむシステムですよね、きっと?

そして、お金を稼ぎたくても、必死に仕事を探しても、個人の努力だけはどうにもならない人たちを数多く生み出すシステムであるように思います(会社が倒産したときに 60 近くになっていたので「年齢差別」に遭いどこにも面接に呼んでもらえない人、親が貧乏でまともな教育が受けらなかったがために不利な立場にある人、庶務や営業サポート職に応募しても「うちは、女性が欲しいんですよ」と言われたりする男性[この手の逆セクハラ、最近多いですよね?]、など)。

そして、資本主義って、こういう人たちを置き去りにする。敗者復活戦なんて存在しない。

社会が一番幸せになれる経済システムってどういうものなのでしょうか。

「贅沢はできまへんけどなんとかぼちぼちやっとります主義」という経済システム(笑)があったらいいな~、などと私は考えています。「ワークシェアリング主義」と言ってもいいかもしれません。要は、失業者を出さない代わりに(給与差はもちろんあってもよいと思いますが)、超けた外れの大富豪も出さない。時間あたりの「最低賃金」を決めるだけではなく、「最高賃金」も決め、法的効力をもたせる。たった一本の映画に出ただけで何十億円ももらえるハリウッド女優がいたかと思うと、アフリカやインドでは(ひょっとして、今の日本でも?)、飢え死にして死んでしまう人たちがいる今の世界は、全体として幸せな社会とは、とても言えないと思うのです。

例えば、どんなに仕事をしても、年収は 1 億円を上限とする、とかにしたらどうでしょう?(笑)。どう考えても、それで十分生活できますよね?(笑)。

1 億稼いだら、もうその年は仕事しなくていいですよ、と。他の人にも仕事回してやり~な、と(笑)。

そんなんじゃ嫌だ!という、競争心の旺盛な人もたくさんいると思いますが、こういった制約下にあっても、「健全な」競争は十分にできると思うのですが、どうでしょうか。

すべてを自由にすると、競争というものが、「健全」なレベルをはるかに超えて、「過剰」になってしまい、人々は「理性」を失う。それが問題であるように考えていますが、どうでしょうか。

タグ:読書日記
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